HI-TOP Journal — 2009
トヨタ タンドラ ダブルキャブ SR5 5.7 V8 4WD
道を測らない、距離を信じる一台
Built to Wander
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01 / ORIGIN
意外なことに、タンドラはトヨタが「北米専用」を前提として設計した、最初のフルサイズピックアップトラックだ。日本向けの設計を流用したハイラックスとは根本的に異なる。テキサス州サンアントニオ工場で、フォードF-150やシボレーシルバラードと真っ向から戦うために生まれた。エンジンは5.7リッターのV8、型式iForce 381。最高出力は381馬力、最大トルクは543Nm。この数値はアメリカのオーナーが要求した「本物の牽引力」に応えるために生まれた。実は、このエンジンはトヨタがレクサスの技術を転用して開発したもので、乗用車的な滑らかさとトラックの力強さを両立させた。低回転でも太いトルクが出る。アイドリング時の振動は驚くほど穏やか。キャビンの静粛性は同クラスのアメリカ製トラックを明確に上回ると評価された。HI-TOPはそのキャビンを守るように、トノカバーを選んだ。荷台の口を閉じ、旅の荷物を雨と視線から遮る。出発の前夜に荷物を積んでも、朝になっても濡れていない。

アメリカが本気で作ったトラックは、30万キロを見据えて設計されている。
02 / JOURNEY
10万キロを超えた個体が持つ独特の落ち着きがある。新車のような緊張感はない。すでに道を知っている。タンドラのダブルキャブは全長5.7メートル近い巨体でありながら、後席の足元空間は国産ミニバンに迫る。4人が長距離を走っても疲れない設計だ。4WDシステムはパートタイム式。通常は後輪駆動で燃料を無駄にしない。悪路や雪道では4Hまたは4Lに切り替える。実は、このシステムは高速走行中でも4H切り替えが可能で、砂利道に差し掛かっても減速せずに対応できる。運転席からの視界は高く、前方の道路がよく見える。地平線が広く感じる。それは日本の道でも同じで、交差点での見通しが明らかに違う。エンジンを回すと低音のV8サウンドがキャビンに届く。耳障りではない。遠雷のような、安心感のある音だ。車検は2027年3月まで残る。10.2万キロという距離は、このエンジンにとって序章に過ぎない。タンドラのiForce V8は30万キロを視野に入れた設計と言われる。まだ、本番前だ。

03 / DETAIL
選んだ理由は、細部にある

01
5.7L iForce V8エンジン
レクサスの乗用車技術を転用して開発。381馬力、543Nmのトルクを低回転から発生させ、乗用車的な滑らかさを持ちながら本格的な牽引性能を両立する。

02
トノカバー
荷台を覆い、積載物を雨と盗難から守る。旅の荷物を外気にさらさない実用的な選択。走行中の空気抵抗低減にも寄与し、燃費改善効果もある。

03
修復歴なし・車検2027年3月
10.2万キロを走り抜いて無傷。車検残2年以上。タンドラのV8は耐久設計が徹底しており、この距離はエンジン寿命の三分の一程度に相当する。

04
ダブルキャブの後席空間
全長5.7メートル級のボディが生む後席足元空間は国産ミニバン並み。4人乗車での長距離移動を前提に設計された、北米フルサイズトラックの本質。

10万キロは、序章に過ぎない。
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